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CPUクーラー

【CPUクーラー】Deepcool新技術採用の挑戦作!但し価格は無視出来ず?ASSASSIN IV VC VISIONを徹底レビュー!

Aile
Aile

どうも、友人のPCパーツ構成は全部覚えています(自作国民の義務)
Aile(エイル)です

去年はDeepcool製品の供給が途絶えたり、競合他社から対抗製品が次々投入され競争が激しくなったりと、中々面白い状況になってきたCPUクーラー界隈(?)

これまでAK400を筆頭に、高コスパ&高品質&高性能を体現したAKシリーズを多数投入し、分かりやすいブランド等々の要因もあって国内での高い知名度を築き上げたDeepcool社だが、そんな同社より今回最上位となる新製品が登場した。

果たして既存モデル(自腹で用意した)とどの程度実力差があるのか、今回有り難いことに試す機会が得られたのでブログを引っ提げて徹底比較レビューしていきますッ!

プロモーション

製品提供:Deepcool

◆更新履歴
2025/2/08 ページを新規作成 New!!

ASSASSIN IV VC VISIONの仕様

製品型番ASSASSIN IV VC VISION
メーカーDeepcool
寸法147×144×172mm
重量1780g
ヒートパイプ6mm×7本
搭載ファン140mm×1
120mm×1
ファン回転数
(140mm/120mm)
500~1800 RPM ±10% /
500~1700 RPM ±10%
ファンノイズ~29.3dB
風量
(140mm/120mm)
61.25 CFM / 58.06 CFM
対応ソケットIntel LGA1700/1200/1150/1151/1155/
2066/2011-v3/2011
AMD AM5/AM4
参考価格¥22,000前後
(2025.1)
その他ベイパーチャンバー採用
デジタルパネル搭載
保証6年

この製品、スペック表から分かる通り140mmと120mmを搭載した変態構成(なんなら後ろ側は排気)……..というのはASSASIN IVの時点で完成している。なので、あえて本製品の特徴である部分に焦点を当ててみると、やはりベイパーチャンバー採用・デジタル液晶パネルを搭載していることが特筆点だ。

ベイパーチャンバーは冷却性能向上、デジタル液晶パネルはビジュアル向上の恩恵が得られるが、どちらも搭載にあたっては中々お値段がしそう装備である…。そのためか1万円を超えればもはや高額帯と呼べそうな印象を受ける空冷クーラーの相場の中で、2万円を超える超ハイエンドクーラーとなっている。

これらの事から、この製品はDeepcoolの最新技術を惜しみなく投入した「最上位の挑戦作」という位置付けだと思われる。

ベイバーチャンバーとは?

内部に少量の液体を含んだ薄い金属の板で、言っちゃえばヒートパイプの薄型版
省スペースでの効率的な熱伝導が可能で、最近だとハイエンドスマートフォンによく搭載されている印象。iPhone 17にも搭載が噂されている。

という訳で、本製品にはなんとCPUとの接触面となる受熱ベースプレート部分に直接このベイパーチャンバー(以下VC)が搭載されているとのこと。CPUクーラーにVCを採用するというのは極めてレアで、筆者が調べた限り12年前の「Cooler Master TPC 812」ぐらいであった。

VCはTDP 280W以上の発熱時に冷却性能が向上するという効果を発揮するようで、それ以下のTDPのCPUと組み合わせた場合は従来モデルの「ASSASSIN IV」と同等の性能になるとの注意書きがある。そういった意味でも最上位CPUと組み合わせる前提の特殊な空冷クーラーだ。(資金不足により検証用CPUが弱いのは申し訳ない)

ASSASSIN IV VC VISIONの外観・付属品

ASSASSIN IV VC VISIONの外観

クーラー本体の形状はまさに立方体、“”箱””といった感じで、デザインは洗練されている。液晶ディスプレイも無理な後付感は無く、本体のデザインにマッチしている。ビジュアルに定評のある同社ならではのこだわりかもしれないが、ここは流石最大手クーラーメーカーといった所。

そしてツインタワー型ヒートシンクという所は王道のタイプだが、ファンの設置箇所が一般的なクーラーとは異なり、「←板フ板フ←」ではなく「←フ板フ板←」となっている(ヒートシンクが板、フがファン、矢印が風向き)。そのため設置方向には注意が必要だ。

ファンを正面から見た図、先の通りこちらが排気側になる。ちなみに外側から見えるファンは12cmファン。

ヒートシンクにはDeepcool社伝統?の冷却フィンを交互に配置した独自の「マトリックスフィンデザイン」のヒートシンクを採用している。AKシリーズでの冷却性能や、競合他社もほぼ類似構造を採用(パクr)しているように、冷却性能への恩恵は折り紙付きだ。

本作の最大の特徴のベイバーチャンバー。ベースプレート部分に放射状のデザイン?で如何にも冷えそうな感じがしている。ただ反面、CPUとの接触面積は従来のベースプレートに比べて小さくなってしまっているため、AM5ならともかくLGA1851等、大きめのCPUだと接触面積に疑問が残る。この点は頂けない。

ベースプレート部からヒートシンク部へ熱を効率的に移動させるためのヒートパイプ。これを本作では7本も搭載しておりハイエンドクーラーにふさわしい搭載量となっている。

本体右上にはモード切り替えスイッチ(左が静音モード、右がパフォーマンスモード)、物理的に回転数を切り替えれるようになっている。モードの違いによる影響は後述。

メモリとのクリアランスは良好。今回の場合は一番左のスロット以外はどれだけ背が高いメモリを採用しても干渉しないと感じた。

また、ファン等外せるモノを全て外した状態でヒートシンクの重量をはかると、930gだった(AK400の1.77倍程)中々重たいヒートシンクではあるが、最上位にしては控えめな印象だ。

主観にはなるが、製品全体の作りの良さ(製造品質)は流石にクオリティが高い。塗装のムラやバリ等も無く、ここは流石にしっかりしている。きっと所有感を満たしてくれるであろう。

ASSASSIN IV VC VISIONの付属品

1.説明書(マニュアル)
2.CPUグリス「DM9」(注射器タイプ)
3.液晶ディスプレイ
4.グリスクリーナー
5.グリス塗布用ベラ
6.取り付け用ドライバー
7.追加ファン取り付け用アダプター
8.intel用バックプレート
9.AMD用ブラケット
10.intel用ブラケット
11.追加ファン取り付け用ネジ
12.AMD用ネジ
13.ブラケット固定用用ネジ
14.intel用スペーサー
15.Xeon用ネジ

という訳で、自作PC高級パーツあるあるの付属品はめちゃめちゃ豪華ラインナップとなっている。取り付けに必要な長めのドライバーも付属しており、これはハラキリポイント高い。その他、Deepcoolのブランドカラーの消しゴムグリス塗布用ベラなんかも付属している。

また前面に追加ファンの取り付けキットが用意されており、吸気側に自分の好きな12cmファンを増設することが可能となっている。

大型空冷クーラーで非常に重要とも言われるのがintel用バックプレート。マザーボード背面に取り付けヒートシンクの大きな重量を支え、CPUとの接触圧を確保するための肝になるパーツだが、本作はしっかりと金属製で非常に頑丈な作りになっているようだ。デザインも結構凝られておりここは流石といった所。

ASSASSIN IV VC VISIONの取り付け手順

intel CPUの場合(LGA1851・1700他)(今回:LGA1700)

1.まず⑧バックプレートの4隅のピンをそれぞれ外側にセットする(カチッと音がなります)これでLGA1700,1851対応になる。(LGA1200,115X対応にする場合は逆に内側にセットする)

2.マザーボード裏に⑧intel用バックプレートを装着した状態で表側のネジに⑭スペーサーをはめる(スペーサーの向きが合っていれば軽く固定される)

3.⑩intel用ブラケットをこの向き・位置でネジに通す。(ブラケットは=の向き)
(今回はLGA1851,1700なので)外側の穴に通すようにするのがポイント。もし上手くハマらない場合、バックプレートの「1.」の部分を再確認!

4.⑬ブラケット固定用ネジで4箇所をしっかりとネジ止めし、ブラケットを固定する。その後CPUグリスを塗布する。

5.先に本体の中央のファンを外しておく(取り外しに若干コツが必要)
後ろのファンは外す必要は無いが、VRMヒートシンクと干渉する場合は一旦外すと良い。
また、このタイミングでベースプレートに貼ってあるシールも忘れずに剥がしておこう(剥がし忘れあるある)

6.本体の位置を先のブラケットに合わせ、ドライバーで2箇所のネジをしっかりと固定する。この際、交互にネジを回すことで均等に締まるようにしていくのがコツ。奥まっているので微妙に見えづらい…

7.外していた中央のファンを元に戻し、液晶パネルを取り付ける(ここは磁石でワンタッチでくっ付くようになっている)

8.本体の底の方から出ているUSB 2.0端子(左)、PWM 4ピン端子(右)をマザーボードに配線する(PWMは必ずCPU_FANと記載のある箇所に配線すること、さもなくばBIOSで怒られてしまう)

AMD Ryzenの場合(AM5・AM4)(今回:AM5)

1.まずマザーに標準搭載されている固定用部品を外す(ネジ4箇所)

2.そのネジ穴を利用して、⑫AMD用ネジ付きスペーサーを止める(4箇所)

3.AMD用ブラケットの外側の切り欠けに合うようにし、この位置にセットする(ブラケットは=の向き)

4.⑬ブラケット固定用ネジで4箇所をしっかりとネジ止めし、ブラケットを固定する。その後CPUグリスを塗布する。(今回は説明書通り5点塗りとした)

5.先に本体の中央のファンを外しておく(取り外しに若干コツが必要)
後ろのファンは外す必要は無いが、VRMヒートシンクと干渉する場合は一旦外すと良い。
また、このタイミングでベースプレートに貼ってあるシールも忘れずに剥がしておこう(剥がし忘れあるある)

6.本体の向きと位置を先のブラケットに合わせ設置(ベースプレートの青いシールを剥がすのを忘れないように)ドライバーで2箇所のネジをしっかりと固定する。この際、交互にネジを回すことで均等に締まるようにしていくのがコツ。奥まっているので微妙に見えづらい…

7.外していた中央のファンを元に戻し、液晶パネルを取り付ける(ここは磁石でワンタッチでくっ付くようになっている)

8.本体の底の方から出ているUSB 2.0端子(左)、PWM 4ピン端子(右)をマザーボードに配線する(PWMは必ずCPU_FANと記載のある箇所に配線すること、さもなくばBIOSで怒られてしまう)

取り付けの容易さもCPUクーラー評価の重要な要素だが、今回の製品では個人的には“普通”な印象。数多の自作erの手に傷を負わせてきたファンクリップ取付を廃止した所や、スペーサーが抜け落ちない所など、こだわられている部分は所々見受けられるが、装備の多さや製品の特殊性も相まってトントンという感じだ。色々と特殊故に取付手順、向きが分かりづらい

ASSASSIN IV VC VISIONの動作音・冷却性能

検証環境

検証環境・使用機材
CPUintel Core i7-12700KF
CPUグリスMX-4
マザーボードASUS TUF Z690TUF GAMING Z690-PLUS D4
※所々の画像でPRIMEを使っているが検証はTUF
メモリDDR4-3200 16GB
SSDM.2 PCIe 4.0
グラボZOTAC GTX 1050Ti
電源ユニットAntec NeoECO Gold NE850G
ケース長尾製作所 オープンフレーム
室温25℃

CPUにはi7-12700KFを採用。最新のCore Ultra 200シリーズやRyzen 9000シリーズでは発熱がかなり抑えめの仕様になったことで、発熱に関しては割と良い勝負?のCPUだ。

今回では発熱量を稼ぐためにPL1=PL2=253Wと設定している(稼働中は190W維持を確認)。あくまで参考程度だが、この条件での発熱量に近いCPUとしてはAMDなら9950X・7800X3D、intelなら265K<コレ≦14700K(定格)<285Kのような水準の発熱量となっている。もし参考になれば幸いだ。

また、 CPUクーラーはヒートパイプ等の原理上、縦置きと横置きで冷却性能が非常に大きく変わる製品が報告されている。今回、ケースについては実際のユースケースに近い縦置き状態で計測している。

ノイズの測定には専用の騒音計を用いた(測定誤差+-1.5dB)。クーラーからの距離は15cmで計測している。本来はもう少し距離を離した方が良いのだが、一般的な部屋ではどうしても外部環境の影響を受けてしまうため(冗談かと思うが外の小鳥のさえずりや雨音ですら計測の邪魔)、それを最大限抑えるべくこの距離とした。その他騒音計の設定は一般的な測定と同じA補正、FASTで計測を行った。

ディスプレイの表示

こちらの製品の目玉の1つである液晶ディスプレイ。クーラー中央部にマグネットで搭載でき、ディスプレイにはCPUの温度・使用率・クロック周波数を表示出来るようになっている。(Deepcoolソフトで設定可能)

好きな動画や画像に変更したり出来ないのは残念だが、鮮明な表示でビジュアルはかなり良い印象。物理的にパッと見で温度が分かるため、こういったオープンフレームやピラーレスケース等ガラスで中が見えるケースとの相性は抜群だ。

DeepCool制御ソフトウェア

設定項目はこんな感じ(個人的にゼロ埋めの方が好き)
DeepCool制御ソフトウェアダウンロード

カテゴリー別 冷却性能比較

まずは最大負荷時のフルロード温度から(Cinebench 2024 10分間の平均温度:温度が低いほど高性能

静音モードとパフォーマンスモードでそれぞれ測定したが、どちらともNH-D15(一世代前のハイエンド空冷)を超える冷却性能を発揮し、フルロードでも80度未満に抑えられていた。もちろんお値段も最上位だが、冷却性能については空冷クーラーの中では相当高い部類と言える。

また、パフォーマンスモード/静音モードを切り替えることによって、ファン回転数が増加/低下し、冷却性能重視か静音重視かを切り替えれるようになる訳だが、高負荷時は2度ほど違いが見られた

こちらはフルロード時の騒音値(dB)をグラフにしたもの(騒音値が低いほど高性能)。こちらは設定モードによって大きく異なることが分かる。

特に静音モード時の静かさは中々目を見張る結果となっており、同じツインタワーの設計のAK620との差は非常に大きなものとなった。(AK400の方が静かなのはシングルファンの方が音の発生源が少なく、騒音面には有利なためだと思われる)

ゲーム時 冷却性能比較

お次にこちらはゲーム中の平均温度。概ね傾向としては一緒だった。

ゲームの特性上、少ないコアに負荷が集中するため(シミュレーションゲーを除く)発熱量としては相当少なくなる。そのためAK400との温度差は3度しかない。逆に言えば完全にゲームしかしないのであればAK400クラスでも十分、ということになる。

搭載ファンの回転速度カーブ

静音モード

パフォーマンスモード

※マザボによって多少制御が変わるかもしれない点は注意(特に0%時)
※本製品は120mm/140mmを混合して搭載しているが、マザボで取得できるRPMは140m側

こちらファンコントロールで10%毎に設定した時、ファンの回転速度(RPM)がどのように変動をするかを確認してみた。ほぼ直線状に回転数が増加するシンプルな設定だ。

静音モード時は100%時に最大1400RPM、パフォーマンスモード時には最大約1800RPMほどの回転数が出るようになっている。特に100%回転時は静音モードの方が(温度差の割に)明らかに静かなので、個人的にはモードは静音の方がオススメ。

【最強決定戦】ASSASSIN IV VC VISIONの真の実力を比較検証

という訳で、先程の測定ではポン付けの設定に委ねる形でそれぞれ検証したが、これだと騒音を撒き散らす代わりにファンの回転速度の設定が高いクーラーが一方的に有利になってしまう。我々が求めているのは静かで冷えるクーラーだ。

という訳で、次は騒音値を他の製品と完全に統一した条件で、フルロードでCPUに負荷掛けて計測を行った。こちらがいわばCPUクーラーの真の実力と言えるだろう。

・騒音値43dB(静か、ケース内に入れればほぼ気にならないレベル、個人的にオススメなライン)
※近距離での測定値です(dBは距離が倍になるにつれて6dBずつ下がる)

【ノイズ統一】43dB (静か)での各クーラー性能比較

※パフォーマンス/静音モードは理論上同じになるので、若干の差は計測誤差分。

こちらでは明確に優秀な結果となり、いわばファン回転数が控えめでもちゃんと冷やせる製品だと感じた。こういった点からも、先の通りもし使うなら静音モードがオススメだ。(14900K?知らない子ですね…)
ちなみにこの時の回転数は1450 RPMの設定となっている。

競合の最上位製品をまだテスト出来ていないため、データの追加次第で1位かどうかは分からないが、既存の製品から見ても、悪くない結果だと思う。

ASSASSIN IV VC VISIONのまとめ!「性能見た目は文句無しの最上位、但し価格は無視出来ず」

ビジュアル&冷却性能重視のハイエンド空冷

冷却性能★★★★★(5/5) 
取り付け難易度★★★★(3/5) 
作りの良さ(5/5) 
コスパ★★★(1/5) 
総合オススメ度★★(3/5) 

・冷却性能は空冷クーラーとしては非常に高い部類
・静音モードではかなり静かに冷やせる
・液晶パネルでビジュアル◎ ピラーレスとも相性良し
・製品の付属品がやたら豪華
・製品保証が6年と長い
・作りの良さは流石DeepCool

・簡易水冷も買える2万円超えの価格
・コスパは単純に悪い

・中央ファンの取り外しが若干固い
・寸法の高さが結構ある(ケースとの干渉注意)
・入手性が悪い(取り扱い店舗が少ない)

それでは、今回レビューしてみた感想を総評としてまとめてみた。

全体的には、冷却性能はしっかりと高く、作りの良さ・デジタルパネルによるビジュアル等もあって、CPUクーラーとしての完成度は中々に高い分類の製品だと思う。だがそれ故に空冷クーラーとしては2万円超えという驚異的な価格がやはりネックとなり、あえて空冷派ではない人にオススメ出来るかどうかと言われると悩ましい。

またあくまで空冷なので、価格が3分の1のAK620等のクーラーから乗り換えて劇的に差を実感出来るかどうかは分からない(どちらかと言うと静音面での改善)。総じて完成度は高いがコスパは非常に悪い、デジタルパネル+最高水準の空冷クーラーという要素にお金を惜しまない人向けといった感じの製品だった。

という訳で気になった方はぜひチェックしてみて欲しい。

ASSASSIN IV VC VISION CPUクーラー
Deepcool

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